「コンセプトは《ヴィーナスの誕生》なんです」
(ウェディングドレスのデザインからボッティチェリの名画を連想して)
なかなかとっつきにくい印象を与えてしまいがちだったこのフレーズを、美紀さんはすんなりと受け入れてくれました。私たち二人は美術・音楽が興味の共通項でしたが、美紀さんご自身も、それらを学ばれた背景があるのだとか。
初めましての際にいただいた、絵の具の淡い滲みのようなデザインの名刺。その小さな一枚に込められた、言葉で色を、雰囲気をつくるという仕事観や、「透明な水の入った水槽のような存在でありたい」とのお考えをお聞きし、とても感動しました。このような根底の部分に共感を覚えたこと、さらに「私なら、二人の想いをきっと表現できるんじゃないか」という心強いお言葉。美紀さんにお任せすれば大丈夫だと確信しました。
私たちの「想い」というのは、
・二人の共通の趣味である美術・音楽による演出を大事にしたい
・展覧会のように、ちょっと特別でありながら、自由に過ごせる空間にしたい
・ボッティチェリ《ヴィーナスの誕生》の世界観を私たちなりに表現したい
という、なんともこだわりの強いものでした。
打ち合わせの度に、二人のぼんやりとした理想のかけらを一つひとつ拾い集め、「想い」をかたちにできるような結婚式を一緒につくりあげていただきました。
こちらのわがままを柔軟に取り入れていただいたり、遠慮して自分から口にはしていなかったことを引き出していただいたり、一生に一度の結婚式を後悔ないものにするために、「本音」に寄り添って対応してくださいました。「オードリー」のくだり、入れてよかったなぁ。
直前まで準備に追われて迎えた当日。美紀さんがいてくださることの安心感たるや。
本番はもちろん完璧。しっとりと美しく、まさに二人の理想通り。
翌日、Moeは結婚式のために長く伸ばしてきた髪をばっさりカット。改めて余韻に浸ろうと、夕方、二人で式場近くを散歩することに。美紀さんいらっしゃるかなぁなんて話をしていたところ、気持ちが通じたのか、実際にお会いすることができました。嬉しいお言葉もかけていただき、結婚式だけで終わらない心のつながりを感じ、あたたかな気持ちで満たされました。
本当に、美紀さんと巡りあえてよかった。
この最幸の思い出を胸に、私たちらしく歩んでいきたいと思います。